2010年2月27日土曜日

コペルニシウム ニッポニウム?

 こんにちは、皆さん初めまして。ハンドルネームDuffyです。化学大好きクラブでは「化学だいすキッズ」や「化学ワンポイントアドバイス」の編集などを担当しています。私は高校で化学を教えている者ですが、昨日は授業で、身の回りのいろいろなものが酸性なのかアルカリ性なのかを調べる実験をしました。こうした身の回りのものについての性質や利用の仕方を考えることも化学が扱う事柄ですが、物質がどのように成り立っているのかということも化学の興味の対象で、新しい元素を発見することは化学に大いに関連する事柄です。


 すでに知っている人もいると思いますが、先日2月19日、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry 日本語では国際純正・応用化学連合)という組織から、112番元素の名称が決定したとの発表がありました。112番元素は人工的に作られたもので、これまでラテン語で「112番」を意味する仮の名前「ウンウンビウム」で呼ばれてましたが、元素名:copernicium(コペルニシウム)、元素記号:Cnとなりました。この名前は、1996年2月6日に第一発見者となったドイツの重イオン研究所の提案で、コペルニクスの業績を称えてとのことで、コペルニクスの誕生日の2月19日に合わせて発表したようです。


 こうした元素の発見で、日本も含めたアジアの国々はこれまであまり貢献がありませんでしたが、実はあともう少しというところまでたどり着いた日本人が約100年前にいました。第一高等学校(現在の東京大学の前身となった旧制高等学校)教授の小川正孝先生です。小川先生は第43番元素を発見し、ニッポニウムと命名しましたが、後にそれは43番元素ではなく、レニウムという元素であったことがわかりました。


 112番より重い元素では、118番まで発見の報告がありますが、まだ名前はついていません。このうち113番元素の合成は、日本の理化学研究所が、2004年7月23日に成功したものです。113番元素には「ニッポニウム」とか「ジャパニウム」、あるいは研究所の名前に因んで「リケニウム」といった名前が付くかも知れませんね。

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